M201-A
心不全治療薬 / 心房細動治療薬
腎臓病治療薬
心不全、心房細動、慢性腎臓病の新規治療薬、リアノジン受容体2阻害剤、M201-A
リアノジン受容体2(RyR2)は心臓、腎臓、膵臓などの細胞内小胞体の膜に存在し、細胞内カルシウムイオン(Ca2+)を制御し、細胞機能の恒常性を維持する上で極めて重要な働きをしています。カテコラミン、酸化ストレス、老化などにより小胞体から細胞質内に異常なCa2+漏出が起こると、心不全、心房細動、腎機能障害などの疾患が起こることが近年わかってきました。M201-Aは小胞体からの異常なCa2+漏出を抑制するRyR2阻害薬で、心不全、心房細動や腎機能障害などの疾患に対する革新的な治療薬として期待されます。
注射剤の第I相、単回、反復臨床試験を終了し、腎機能障害を伴う心不全患者を対象に、第II相臨床試験を実施中です。
Kaneko N, Loughrey CM, Smith GL, et al. A novel ryanodine receptor 2 inhibitor, M201-A, enhances natriuresis, renal function and lusi-inotropic actions: Preclinical and phase I study. Br. J. Pharmacol., Published online 2024. DOI: 10.1111/bph.16379
K201は摘出心臓を用いたCa2+過負荷モデルをスクリーニング系として発明され、その後、RyR2の機能異常を改善させ、実験的に心不全、不整脈、腎臓病、糖尿病に対して有効性を示す多くの論文が報告されています。欧米で注射剤及び経口剤の第I相臨床試験と第II相試験を実施しています。
膀胱収縮頻度を抑え、膀胱の収縮力は抑制せず、尿回数を減らし、残尿を改善する過活動膀胱治療剤として開発中です。